孤から固、そして個へ。一人の女性の物語「スノードロップ」を見てきた!

新宿武蔵野館で2025年10月に上映されている「スノードロップ」を見てきたよ!一人の女性として、娘として、いろいろと考えさせられる映画だったので感想をまとめました。
映画「スノードロップ」
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【生活保護受給を巡る実在した一家の物語】
生活保護とは生活困窮者に対し国が「文化的な最低限度の生活」を保障する制度であり、国からの公的共助を受けることを意味する。公的扶助を受けることで社会的に生きる基盤を手に入れることがその最たる意味のはずだが、そうでないケースも存在した一映画『スノードロップ」は生活保護制度を受給する事に対して根本的な矛盾の選択をした、ある実在した一家をモデルとした物語である。(公式インスタグラムより)
私は子役として活動し、結婚・出産後、現在はライターや司会者として活動しています。
妹・宇野なおみは、同じく子役として「渡る世間は鬼ばかり」に出演していました。

今回見に行ったのは、妹が渡る世間で共演していた西原亜希さん主演の映画です。
妹に紹介してもらい、ちょっとしたご縁でお知らせいただき、見に行ってまいりました!
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なんか、本当にすごいものを見たなという感想。
重いテーマで苦しいことがたくさん起きるんだけど、最後は希望の光が少し見えて前向きになれる。
私自身の経験も交えて、感想を書いていきます。
介護が必要になったとき、家族は?
西原亜希さん演じる直子は、認知症の母親をほぼ一人で介護をしていた。
そんなとき、何十年も音信不通だった父が帰ってくる。
尚子には姉がいるが、父が帰ってきた時点で妊娠していて家庭があり、家は出ているようだった。
母ひとり、子二人の生活はかなり厳しいものだったのだろう。
介護につきっきりの直子は働けず、父が新聞配達の仕事をして生活を支えるがなかなか厳しい。
父のケガをきっかけに生活保護受給を申請することになるが、お姉さんからの金銭的援助は受けられますかと聞かれ、一応聞いてみるものの、姉の答えはやはり難しいと描かれていた。
私の母が脳出血で倒れた時、まさにこの物語の中の姉側だった。
結婚後、少し離れたところに住んでいるため、母と同居している父と妹にまかせっきりだった。
その後母は元気になり仕事も再開しているが、あのまま自宅で完全なる介護になっていたとしたらどうなっていたかわからない。

上演後、あきさんや撮影の関さんとお話する機会があったが、「お姉ちゃん目線の方は結構多い」とのこと。
結婚後の自分の築いた家族、自分が築いてもらってきた実家の家族、そして自分自身。
どれも大事でどれもかけがえのないもの。
そこに優先順位はあるかもしれないし、ないかもしれない。
でも、そのときそのときで自分にできることはなんなのか?を自問することは必要だなと思った。
クライマックスでお姉ちゃんがでてくるシーンがあるが、そこにはどんな想いがあったのか、どんな切なさややりきれなさがあったのか、短いシーンで描かれていてとてもよかった。
母が倒れた時、介護保険や介護サービスについてはかなり調べた。
本もめっちゃ読んだ。

主人公の直子は、なぜ介護サービスの支援を受けなかったんだろうと不思議だったが、最後にそれは明らかになる。
本音と建前、人間の裏表が繊細に描かれていたんだなと感じた。
これは、直子の「孤」独、家族への「固」執、そして直子自身という「個」。
一人の女性の気持ちを丁寧に微細に描いている物語。
現実はつらく、厳しい。
でも、下向きでも凛と静かに咲くスノードロップの花のように、一歩一歩進んでいくのが人生なのかなと思った。

まとめ
新宿武蔵野館で映画を見るのは初めてだったので、新作映画の予告があるのかないのかがわからず、本編が始まったのに気づかなかった。
それくらい自然にすーっと始まったとでも言えよう。
実はずっと映画を見ているあいだ疑問に思っていたことがあるのだが、見終わった後、亜希さんたちに質問させてもらって明らかになった。
これから見る方は、場内が暗くなったら始まるぞ!と言う気持ちで見てほしい






